研究課題/領域番号 |
25713054
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杉山 由紀 信州大学, 医学部, 助教 (10468100)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 痛み関連受容体 |
研究概要 |
免疫細胞における知覚神経系の痛み関連分子の役割を解明するため、当初、野生型マウスに放射線照射を行い、野生型マウスまたはTRPV1ノックアウトマウスの骨髄を移植し、骨髄キメラマウスを作製する予定であったが、マウスを大量に必要とし、また予想よりもマウスの繁殖数も少なかったため、まずは、CFA投与による炎症性痛モデルマウスを作成し、野生型マウスとTRPV1ノックアウトマウスでの比較を行うこととした。末梢においてTRPV1は、機械性痛覚には影響を及ぼさないが、炎症性熱性痛覚過敏に関与することが判明しており、免疫細胞の関与も考えられる。そこで、CFA投与による足底の浮腫の評価に加え、免疫組織学的評価の検討を開始した。炎症の局所には熱があり、冷やすことにより炎症は抑制される。また、TRPV1の閾値は通常43度であるが、炎症部位では活性化閾値が低下する可能性がある。よって、免疫細胞の活性化にTRPV1などの温度センサーが関わっている可能性もある。ex vivoにて培養し、野生型マウスとTRPV1ノックアウトマウスのマクロファージおよびT細胞について、培養温度を変化させることにより活性化に程度に変化がみられるかどうかについての検討も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
骨髄キメラマウスの作製にはマウスを大量に必要とし、また予想よりもマウスの繁殖数も少なかったため、当初の予定を変更せざるを得なかった。免疫組織学的評価の条件検討や培養条件の検討について確定できていない。また、CFA投与による炎症局所の評価も浸潤細胞数が少なく、炎症細胞を採取し評価するのに時間がかかるため、予定よりは遅れていると考えざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
当初よりも進行は遅れているが、細胞採取や培養についても徐々に改善されてきており、また、ex vivoの実験を同時並行することにより、進行と確度が上がるものと考えられる。野生型マウスでの検討を第一にしながら、TRPV1にこだわらず、他の知覚神経関連分子についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初より実験が遅れたため次年度繰越額が生じた。 前年度未使用額と合わせた研究費を、培養試薬、遺伝子工学試薬・物品、抗体、フローサイトメトリー等の高額機器使用の費用や、マウス購入、新規ノックアウトマウスの購入などに使用する計画である。
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