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2014 年度 実績報告書

網脈絡膜疾患に対するリンパ管をターゲットとした新しい治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 25713057
研究機関九州大学

研究代表者

中尾 新太郎  九州大学, 大学病院, 助教 (50583027)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード網膜 / 脈絡膜 / 血管新生 / イメージング / 糖尿病網膜症 / モデル動物
研究実績の概要

糖尿病網膜症、加齢黄斑変性を代表とする網膜脈絡膜血管病は以前として失明原因の上位である。近年、抗VEGF療法が開発され、以前は失明を免れなかった症例も視力維持、さらには視力改善も可能となってきた。しかし、糖尿病黄斑浮腫や加齢黄斑変性において抗VEGF療法の無効例も散見されるのも事実である。また、抗VEGF療法はその高い薬剤費と年間7-8回の繰り返し投与も医療経済の面から問題となっている。
血管の発達、さらには病的血管新生の研究から血管にはリンパ管が併走することが知られている。一方、正常網膜においては血管が豊富であるにも関わらず、リンパ管が存在しないことが知られている。しかし、病的状態ではリンパ管が存在するのか、また存在しない場合にどのようなメカニズムがリンパ管様機能を代償しているかは不明であった。以前私は脈絡膜血管新生にはリンパ管新生が存在せず、リンパ管マーカーの発現はマクロファージに観察されることを報告した。
私はこのような観点から今回、網膜血管病、特に糖尿病網膜症治療のリンパ管をターゲットとした新たな治療法が必要と考えている。
糖尿病モデル動物Akitaマウス、VEGF強制発現マウスKimbaマウス、さらにそれらを掛け合わせたAkimbaマウスの繁殖を行ってきた。またOptosを用いてマウスの血管状態をin vivoで観察できることを以前発表したが(Nakao S. et al. Invest Ophthalmol Vis Sci 2013; 54:5258)、これらマウスにおいても検討し、Kimbaマウス、Akimbaマウスにおいて血管透過性亢進を含む微小血管異常、滲出性変化を観察した。
また、脈絡膜血管新生においてマクロファージが重要であり、Rho kinaseがその分子標的となることを報告した(Nakao S. et al. Cell Rep. 2015; 10:1173)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

糖尿病モデル動物を共同研究者から入手後、繁殖に時間がかかり実験に必要な数を確保できなかった。

今後の研究の推進方策

現在、マウス繁殖は順調となっている。その他研究計画においても、計画通りに進めて行く予定である。

次年度使用額が生じた理由

マウスの繁殖の遅れにより、計画していた物品購入を行わなかったため

次年度使用額の使用計画

病理組織学試薬類と免疫化学実験試薬の購入に使用予定

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Spontaneous remission of acute zonal occult outer retinopathy: follow-up using adaptive optics scanning laser ophthalmoscopy2015

    • 著者名/発表者名
      Nakao S, Kaizu Y, Yoshida S, Iida T, Ishibashi T.
    • 雑誌名

      Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ROCK-isoform-specific polarization of macrophages associated with age-related macular degeneration.2015

    • 著者名/発表者名
      Zandi S, Nakao S, Chun KH, Fiorina P, Sun D, Arita R, Zhao M, Kim E, Schueller O, Campbell S, Taher M, Melhorn MI, Schering A, Gatti F, Tezza S, Xie F, Vergani A, Yoshida S, Ishikawa K, Yamaguchi M, Sasaki F, Schmidt-Ullrich R, Hata Y, Enaida H, Yuzawa M, Yokomizo T, Kim YB, Sweetnam P, Ishibashi T, Hafezi-Moghadam A.
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 10 ページ: 1173-1186

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2015.01.050.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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