研究概要 |
本研究課題はアレルギーを引き起こすブタクサ花粉に関して、そのペプチドの生体内でのT細胞への抗原提示を阻害する低分子化合物の同定を目指すものである。平成26年度は、研究の第1段階として、HLA機能抑制低分子化合物をin silico解析により特定した。対象HLAとアミノ酸相同性の高いHLAのX線構造の探索を、PDB code:2NNAの構造をもちいおこなった。次に、統合計算化学ソフトウェアにより、分子結合部位の予測をおこなった。さらに、Alpha Site Filter法によるpre-screeningをおこない、大規模化合物データベース(5,909,712化合物)から可能性の高い化合物の抽出し、ASEDockを用いたdocking計算をおこない、これにより更に結合する可能性の高い化合物の絞り込みをおこなった。その後、研究の第2段階として、実際のマウス細胞を用いて候補低分子化合物のin vitro スクリーニング をおこなった。まずはBALB/cマウスにたいし、H2-A(Major Histocompatibility Complex , BALB/cマウスのMHCクラスII分子) におけるin silicoスクリーニングの結果をもちい、BALB/cマウスに対してブタクサ花粉による免疫をおこなった。その脾臓細胞を用いて、IL-4のELISpotアッセイと3H標識チミジンの取り込みによるT細胞増殖試験による候補低分子化合物のin vitro スクリーニングをおこなった。
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