研究実績の概要 |
昨年までの研究により、骨・軟骨組織の石灰化にはメカニカルストレスなどによる血管新生とそれを制御する因子が必要であることを明らかにした。そこで、血管新生因子を標的としたmicroRNAが軟骨の血管新生と石灰化を制御するという仮説のもとに、軟骨特異的に発現する血管新生因子標的microRNAを同定し、その機能を解析することを目的とした。 生後3週齢のラット10匹に固形食(コントロール群)もしくは粉末食(実験群)を8週間与えて飼育し、実験期間終了後、深麻酔下で安楽死させ、ただちにすべてのラットの咬筋(浅層、深層)を摘出した。摘出した右側の咬筋の一部でHE染色標本を作製し、標本から筋線維の平均横断面積と直径を測定し、実験群とコントロール群間における平均値の比較を行った。残りのサンプルでmicroRNAを含むtotalRNAの抽出を行い、microRNAおよびDNAマイクロアレイ解析を行い、信頼性のあるmicroRNAとmRNAのみを抽出した。さらに、実験群とコントロール群間でt-testを行い、p値が0.05未満で発現値の変動倍率が2以上もしくは1/2以下のmicroRNAとを抽出した。変動miRNAと変動mRNAの発現値が逆相関関係にあるものを抽出し、公的データベース(targetScan, miRDB)を使用してmiRNAのターゲットmRNAの予測を行った。Gene Ontology 頻度解析、KEGG Pathway頻度・挙動解析を行い、miRNA-mRNAの絞込みを行った。さらに、マイクロアレイ解析の結果の妥当性を証明するため、miRNAと標的mRNAのリアルタイムPCR解析を行った。
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