研究課題/領域番号 |
25713066
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小澤 未緒 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (80611318)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 新生児 / NICU / 痛み / 教育プログラム / リーダー育成 / 質指標 |
研究実績の概要 |
昨年度試行した教育プログラムの効果を検証するために、プログラム実施後3か月、6か月、1年後の時点でデータ収集を実施した。その結果、プログラム前と比較すると、本研究に参加しているすべてのNICU・GCU病棟で、電子カルテ上に痛みの測定とケアについて記録する書式の導入、痛みの測定ツールの選択・導入(予定含む)、NICU・GCUにおける疼痛管理の質指標の実施率が上昇、といった変化があり、痛みのケアの向上が示唆された。 また、プログラム参加者21名(看護師16名、医師5名)からプログラム1年後のリーダーとしてのふりかえりの質問紙調査の回答を得た。その結果、医師痛みのケア向上のための変化を起こすための取組をする上で促進要因であったものは、プログラム参加者が病棟スタッフを対象とした病棟で開催した痛みの研修会が85.7%、変化に対する病棟スタッフの前向きな態度81.0%、痛みのケアのための手順の共有66.7%、痛みの質指標の測定による痛みのケアの可視化52.4%であった。一方変化の障壁要因としては人員不足71.4%、時間不足52.4%であった。痛みの質指標を測定するメリットについては、痛みのケアを可視化することで取り組みの効果を共有できる76.2%、取り組みの効果を時系列で評価できる62.0%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画はデータ収集と解析であった。年度の予定からすると予定通りの進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は下記の内容により、プログラムの効果に関する公表とプログラムを完成させることを計画している。 1.プログラムの効果に関して得られた結果について、学会や学術誌で公表する。 2.プログラム参加者による1年間の取組の報告会を実施し、参加者間で共有する。 3.プログラムに参加した病棟関係者へプログラム評価のヒアリング、試行版ITシステムの開発により、プログラムを完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者の謝金、情報収集目的の学会参加のための宿泊旅費が削減されたこと、購入予定としていたノートパソコンが他の経費から購入されたことにより、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
これまでの参加者によるプログラムの評価を通して、プログラムを完成させるためには痛みのケアの質指標を可視化できるITシステムが必要であることが明らかになったため、繰越金を利用して、試行版のITシステムを開発する。
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