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2013 年度 実施状況報告書

ブーリアンモデルによる生体ネットワークの統合的な数理モデル化と解析

研究課題

研究課題/領域番号 25730005
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

田村 武幸  京都大学, 化学研究所, 助教 (00437261)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード代謝ネットワーク / ブーリアンモデル / NP完全 / 整数計画法
研究概要

生命を維持するために生体内で行われている化学反応と化合物の関係を、ネットワークで表現したものを代謝ネットワークという。代謝ネットワークは生物種ごとに異なるが、ほぼ全ての生物種に共通する部分もある。例えば我々が米やパンを食べた時には小腸よりブドウ糖(グルコース)として吸収された後、ピルビン酸へと変換され、TCA回路でATPが産生されることによりエネルギーを得る(これを好気呼吸という)。一方で酸素を用いた呼吸を行わないような微生物では、ピルビン酸を乳酸に変換することより少量のエネルギーを得る(これを嫌気呼吸という)。
代謝ネットワークにおいてAとBという化合物から、CとDという化合物を生成する化学反応は、AとBが両方必要であるという観点からAND関数を用いて表現することができる。一方で、反応1と反応2が同じ化合物を生成できると仮定すると、その化合物の存在条件は、反応1と反応2のどちらかあれば良いという観点より、OR関数で表現することができる。このように代謝ネットワークはAND関数とOR関数で表現されたブーリアンモデルで表現することができる。今年度の研究において、我々はある仮想的な生物がブーリアンモデルの代謝ネットワークにおいて、自然状態では産生できない化合物を産生するために必要な、最小数の追加反応を求める問題の研究を行った。
この問題はNP完全問題と呼ばれる効率的に解くのが難しいクラスに属することを証明したうえで、我々はNP完全問題を解く計算手法である整数計画法を用いて、この問題を解く手法を開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた研究計画のうち、代謝ネットワークをブーリアンモデルで数理モデル化して解析する研究については、PLOSONEより論文を出版することができた。遺伝子制御ネットワークの数理モデル化と解析については、まだ論文を出版することはできていないが、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

当初の予定通りに研究を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

コンピュータの購入に充てる予定であった支出額が、当初の想定よりも少なく済んだため。
研究成果発表のための旅費か、論文出版費として支出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Integer Programming-based Method for Designing Synthetic Metabolic Networks by Minimum Reaction Insertion in a Boolean Model2014

    • 著者名/発表者名
      Wei Lu*, Takeyuki Tamura*, Jiangning Song, Tatsuya Akutsu, (* joint first authors)
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: e92637 ページ: 14pages

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0092637

    • 査読あり
  • [備考] 論文リスト

    • URL

      http://sunflower.kuicr.kyoto-u.ac.jp/~tamura/paper-list.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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