研究課題
本研究課題では,先進的な安定マッチング問題に対する,マトロイド等の離散最適化における抽象概念を中心としたアプローチによる高品質なアルゴリズムの開発を行った.特に,以下のような成果を得ることができた.(1) 割当人数に対する下限が存在するマッチング問題に対しては,Monte and Tumennasanによって提案されたプロジェクト閉鎖付き順次独裁メカニズムの拡張に成功した.具体的には既存のメカニズムがさらに抽象的なマッチング市場へ拡張可能であることを示した.この抽象的なマッチング市場は広い範囲のマッチング市場を表現することができ,多くのマッチング市場に対して効率性と戦略的操作不可能性を満たすメカニズムを開発することに成功した.(2)選好に同順位を許すマッチング市場におけるパレート安定マッチング問題に対しては,これまでに提案されているアルゴリズムとは異なったアプローチを用いたアルゴリズムの開発に成功した.具体的には,既存のアルゴリズムで使用されていた特徴付けを用いず,他のマッチング問題との関連性に注目することにより新たなアルゴリズムを開発した.(3)マッチングの安定性を所謂多数決によって決定するマッチング問題である最適選好マッチング問題に対して,マトロイドを用いた制約の一般化を行った問題に対して,既存のアルゴリズムを拡張することによるアルゴリズムの開発に成功した.さらに,入力の問題例を最適選好マッチングを持つように変形する問題に対しても,既存のアルゴリズムを拡張することによるアルゴリズムの開発に成功した.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Proceedings of the 8th Annual International Conference on Combinatorial Optimization and Applications
巻: LNCS 8881 ページ: 713-728
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Mathematics of Operations Research
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http://dx.doi.org/10.1287/moor.2013.0627