研究課題/領域番号 |
25730011
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小島 要 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (10646988)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遺伝子制御ネットワーク / エピジェネティクス / 変異コール / 遺伝子発現量定量 |
研究概要 |
エピジェネティクスにおける機構の一つであるDNAメチル化の検出にはBisulfiteシークエンス法が用いられる。Bisulfite反応では、メチル化されていないシトシン(C)がウラシル(U)に変化し、シークエンス結果では、チミン(T)となることから、シトシンからチミンへの変化を検出からメチル化状態が推定される。しかしながら、通常より考慮される塩基の種類が減少するため、より正確なシークエンス配列のマッピング、変異コールを行う必要がある。そこで、本年度は、リファレンスゲノムにマッピングされたシークエンスデータからより正確に変異コールを行うため、各シークエンスリードだけでなくリードペアを通じて複数のヘテロ変異をまたぐリード情報を考慮して局所的に変異のフェージングを行いながら、フェージング情報を利用しつつ変異コールを行う統計的手法を開発した。また、遺伝子発現データからの遺伝子制御ネットワークの推定には、遺伝子発現量の計測の精度が重要となる。近年RNA-Seq技術により直接mRNAのシークエンシングを行い、リファレンス配列にマッピングすることで、従来技術よりも精度の高い遺伝子発現量の定量が可能となっている。しかしながら、シークエンスリードのマッピングの際のアラインメントにおいてギャップの考慮などが不十分である問題があった。このため、ギャップ付きアラインメントを考慮し、各スプライシングバリアントの単位で正確に遺伝子発現量の定量するための手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、エピジェネティクス状態の解析の基礎となる手法の調査と関連手法の開発、また、遺伝子発現量の定量に関連した手法の開発を主に進めることで、エピジェネティクスデータを考慮した遺伝子制御ネットワーク解析の基盤固めを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在公開されているマウスの胚から肝臓への分化における時系列遺伝子発現データから、エピジェネティクス情報を考慮した遺伝子制御ネットワーク推定手法の開発を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度における手法の開発において、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータを利用していたが、所属研究機関における利用が平成26年度4月30日までとなった。このため、スーパーコンピュータ内の解析データを引き上げ、保存するために必要なハードディスク費用および保存したデータの整理・管理に付随して必要となる文房具等の物品費用を平成26年度として計上した。 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータ内の、平成25年度における解析結果を平成26年度4月30日までに引き上げ、保存するためのハードディスクを購入し、引き上げ作業を行う。また、引き上げ作業後の保存データの整理・管理に付随して必要となる文房具等の物品の購入を行い、保存データの整理・管理を行う。解析データは平成25年度に行ったものであり、本計上分の成果は平成25年度のものである。
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