対象者に、より効果の大きな治療を届ける「個別化医療」を実践するためには、日常診療の経過に伴って変化する生体指標に応じて治療方針を選択するようなレジメ(治療戦略)を考えることが重要である。本研究では、あらかじめレジメを固定するのではなく、患者状態の経過に応じて適応的に治療方針を変えていく「動的な治療レジメ」と、その動的レジメ内で生体指標をどの値にコントロールすべきかを推定するための方法論を検討した。具体的には、(1) 周辺構造モデル、(2) 構造ネストモデル、(3) g-計算アルゴリズムを応用・発展させ、その統計学的性質を評価した。
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