研究概要 |
クラスター点過程の漸近論の解析に関する研究実績として,本年度は,クラスター点過程に対する最近接接触距離型尤度解析の漸近論につき,それの最尤推定量である最近接接触距離型最尤推定量の一致性を証明した(2014, Ann. Inst. Statist. Math. with Y. Ogata). 研究成果の海外発信として,Neyman-Scottクラスター点過程のPalm強度の幾何学的性質に関する研究結果(2013, Int. J. Appl. Math.)をドイツの研究集会にて発表した.時空間統計解析に関する国際会議においても発表した. 引き続きドイツに滞在し,次年度の研究計画である「点過程のフラクタル次元のPalm型最尤推定値(MPLE)に関する未解決問題」についてD. Stoyan教授と議論した. また,点過程解析に関するRパッケージのGUI化に関する研究につき,当初の予定より早く着手した.具体的にはその一環として,統計数理研究所の中野教授と嵯峨氏との共同研究の下,CRAN(The Comprehensive R Archive Network)へupしたRパッケージNScluster: Simulation and Estimation of the Neyman-Scott Type Spatial Cluster Models (2012)を,より洗練させた学術的結果として発表するために,中野教授と嵯峨氏との共著論文として著すこととなった.
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今後の研究の推進方策 |
Prokesova, M., Vedel Jensen, E. B. (2012, Ann. Inst. Statist. Math.)によって証明されたPalm型最尤推定量の漸近論に関する研究に基づき,次年度では引き続き,最近接接触距離型最尤推定量の漸近正規性等,未だ不透明な漸近論的性質を定式化する. 引き続き海外での研究成果の発信も遂行する. また,点過程解析に関するRパッケージのGUI実装化に関する研究として,RパッケージNSclusterを扱い,これを学術論文(共著)として著す.
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