研究課題/領域番号 |
25730022
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
田中 潮 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60516897)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | cluster point process / 疑似尤度解析 / R package:NScluster |
研究実績の概要 |
クラスター点過程は,統計地震学における余震データに代表されるクラスタリングデータに対してモデリングされる重要な点過程モデルであり,Neyman-Scott cluster point processが典型的である.データのクラスタリング構造は極めて複雑であり,Neyman-Scott cluster point processに対する尤度解析は叶わなかった.本研究では,Tanaka et al.(2008, Biom. J.), Tanaka and Ogata (2014, Ann. Inst. Statist. Math.)において提唱した2種類のNeyman-Scott cluster point processの重ね合わせから成るsuperposed Neyman-Scott cluster point processを多種類の重ね合わせへ拡張し,それに対する疑似尤度解析の可能性を考察した.なお,本研究における数値実験に関しては共同研究者を迎えた.
さて,その疑似尤度解析の展開に向けて,上記先行研究において提唱した点過程のPalm型強度に基づくPalm 型最尤法と点過程の最短距離に基づく最近接接触距離型最尤法を適用するとき,このモデルのパラメータ空間の余次元が大きくパラメータ数が冗長となるため,先行研究とは異なる抜本的な解析法が求められる.しかしながら最近,共同研究を通して先行研究と一線を画す尤度解析法の提案に至り,詳細を確認中である.
Neyman-Scott cluster point processと2種類のそれらから成るsuperposed Neyman-Scott cluster point processを解析するために開発されたR package:NSclusterに関する研究を学術論文(共著)として発信するため,学術雑誌へ投稿準備中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Superposed Neyman-Scott cluster point processに対する疑似尤度解析に向けて,先行研究とは異なる抜本的な解析法が求められたが,最近共同研究を通して,先行研究と一線を画す尤度解析法を提案できたため.
Neyman-Scott cluster point processと2種類のそれらから成るsuperposed Neyman-Scott cluster point processを解析するために開発されたR package:NSclusterに関する数値実験を伴う研究結果が徐々に蓄積,更新され,結果,これに関する学術論文(共著)の執筆の進展にもつながったため.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究実績および進捗状況を鑑み,先行研究と一線を画す尤度解析法の実現と学術論文(共著)の発信に努める.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究が,引き続き次年度にもわたって遂行することになったため.
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次年度使用額の使用計画 |
共同研究を遂行するための出張先への旅費,学術論文に対する校閲費及び書籍購入費として使用する予定である.
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