研究課題/領域番号 |
25730026
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大川 猛 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80392596)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リコンフィギャラブル / FPGA / プロセスネットワーク / 並列分散処理 / 高位合成 / 設計生産性 / シミュレーション / 分散オブジェクト |
研究概要 |
リコンフィギャラブルなシステムの設計生産性向上のために、ソフトウェア開発者がFPGA開発に参加可能な設計手法を提案する。そのために、KPN(Kahn Process Network)並列プロセスモデルを基にしてソフトとハードを分散オブジェクトCORBAのインターフェイスで部品化する設計手法を用いる。アプリケーションのKPNモデルを実装・テストしFPGA上での処理を行うため(項目1)KPNモデルの機能・性能シミュレーション環境、(項目2)KPNモデルのFPGA上の実行環境、の検討・開発を進めた。 (項目1)KPNモデルに基づく機能・性能シミュレーション方式の検討とシミュレータ開発 提案するFPGA設計手法においては、画像認識アプリケーションに対応するKPNモデルを作り、機能・性能検証のためのシミュレーションを行うための基礎評価を行った。 (項目2)KPNモデルに基づくFPGA向け分散並列処理プラットフォームの方式検討と開発 前工程で作成したアプリケーションのKPNモデルを、FPGA上で並列に実行するためのプラットフォームの構築を進めた。研究提案者がこれまで開発したORBエンジンを活用し、倒立振子ロボットの制御処理を題材として、高位合成環境JavaRockを用いて、FPGAとソフトウェアで処理を分担する方式についてプロトタイプシステムの作成と性能評価・設計生産性の評価検討を行った。 以上の検討の成果は、国内研究会・国際会議にて発表した。また、本研究の成果であるKPN並列プロセスモデルに基づく3次元LSIチップ積層システムにおける処理方式に関して、特許を出願した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
項目2のFPGA上の分散オブジェクトを基にしたKPN実行環境については、画像認識とロボット制御処理を題材として動くシステムを実装し、評価が予定よりも順調に進んでいる。 一方、項目1のKPNプロセスモデルの機能・性能シミュレータについては、画像認識アプリケーションソフトウェアの分析が予定よりも遅れており、機能・性能シミュレーションの基礎検討が終わった段階である。第2年度において、機能・性能シミュレーションを進められるように開発を加速する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
提案手法の有用性確認のための(項目1)のシミュレータの構築を急ぎ行い、具体的な画像処理アプリケーションでの性能評価を行う。 項目1・2の研究開発の成果に基づいて、(項目3)コード記述量や開発期間について被験者実験で評価する。また、提案する設計手法を用いて(項目4)デモシステム、を開発しFPGA上でストリーム並列処理により画像処理アプリケーションを開発し、性能と設計生産性の評価を行う。
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