当初の研究実施計画になかった派生として,25年度より,クラス名の推薦手法を開発している.最終年度には,26年度までの成果を踏まえて,段階的にクラス名を推薦する手法を開発・提案した.26年度までのクラス名推薦手法は,メソッド名全体を推薦する手法のアイデアを利用していたが,それに起因する問題があった.具体的には,クラス名はメソッド名よりも名前を構成する単語の種類が豊富なため,クラス名全体を作成して推薦する際に,単語の組み合わせが膨大となり,利用者がクラス名を選択することが難しかった.そこで,クラス名全体を推薦することをやめ,クラス名を構成する部分フレーズ (単語列)を順に提示・推薦する手法を開発した.これにより,組み合わせ爆発の問題を避け,利用が容易なシステムを開発することができた. 研究期間全体を通じた成果を述べる.まず,当初計画にあったうち,メソッドボディの推薦システムと,メソッド名変更時の推薦システムについては,基本的な機能について実装と評価を行い,国際会議および論文誌において発表した.しかし,当初は,それぞれの手法においてメソッドボディを3段階でモデル化する計画であったが,1段階目の集合としてのモデル化に留まった.これは,1段階目で予想以上の精度が得られたことと,研究を発展方向を変更し,最終年度の成果にも挙げたクラス名推薦の開発に注力したためである.当初計画になかった成果であるクラス名推薦は,手法を改良しながら段階的に成果発表を行い,フィードバックを得ることで,大きな成果へとつながった.
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