研究課題/領域番号 |
25730041
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平石 拓 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (60528222)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ハイパフォーマンス・コンピューティング / プログラミング言語 / 計算機システム / ソフトウェア開発効率化・安定化 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
耐故障性に関する研究として,前年度に提案した,各ワーカが与えられた計算をそれぞれ任意の順序で実行しつつ,部分結果を保存・交換しあうことで動的負荷分散やノード故障の際の計算の継続を可能にする並列計算モデルの開発をすすめた.具体的には,同計算モデルにおける全体の計算の進捗状況を管理する「メッセージ媒介システム」の実装改善を行い,不要となったデータを削除することによるメモリ使用量の削減を達成した.また,同計算モデル上の計算を記述する並列プログラミング言語HOPEの実装を進めた.
また,提案しているタスク並列言語Tascellの開発および応用に関する研究も進めた.具体的には,グラフからある条件をみたす部分グラフを全列挙するグラフマイニングアルゴリズムの分散メモリ環境に対応した実装を行った.また,そのような並列探索の高速化に利用できるTascellの言語機能として前年度に提案・実装した例外処理機能の性能改善および論文発表を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究で,任意の計算ノードが故障しても計算を継続できるレベルの耐故障性はTascellの計算モデルの問題から困難だと判断し,別の計算モデルの開発を進める方向に切り替えたが,その開発は順調に進んでいる.Tascellの応用・開発に関する研究もその成果が論文誌に掲載されるなど順調に進んでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
新しく提案した計算モデルでは,その計算を記述するためのプログラミング言語の実装が完成していないため,その完成を目指す.また,性能評価も単純なベンチマークプログラムでしか行えていないため,Tascellで開発しているグラフマイニングの移植するなどして,実用的なプログラムでの評価も検討する.Tascell自体の応用・開発に関する研究も引き続き進める.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究発表を予定していた国際会議が主催者判断で中止となり,研究協力者の同国際会議への参加をとりやめたため.
|
次年度使用額の使用計画 |
上記の研究内容は次年度に開催される別の国際会議での発表が採択決定済であり,同国際会議に参加するための参加費・旅費に充てる.
|