本研究はソフトウェアの障害を引き押した原因となる欠陥部品(欠陥を含むソースコードファイル)の自動特定を目的としている.近年複数のシステムが協調的に機能するサービスが増加し,欠陥が及ぼす障害波及範囲が拡大している.欠陥部品を正確に特定するためには,システムの幅広い知識や毛件が開発者に求められるが,そのような開発者は少数である.従来,障害報告書のテキスト情報から修正すべき欠陥部品を特定する方法が提案されているが,修正すべき欠陥部品以外にも同様の単語が使用されている部品が多く予測精度が低いことが指摘されていた.
平成25年度の時点で,欠陥部品の特定,及び,co-change部品群を特定するためのプロトタイプを開発している.平成26年度は,欠陥部品をより細粒度で推薦するために,メソッド単位で欠陥部品を推薦するモデル構築に取り組んだ.その結果,ファイル単位のモデルよりも10%精度が向上し,さらに,細粒度で推薦することにより,欠陥部品を確認するための開発者への負担が51%-86%削減できることが分かった.
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