研究課題/領域番号 |
25730052
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 秀幸 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40509072)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 情報連携フレームワーク / 地域コミュニティ支援 / マルチエージェント / センサ管理基盤 / 情報システム |
研究概要 |
初年度は,仮設住宅における高齢者の健康維持や地域コミュニティを支援する情報通信システムを実現するための理論的な枠組みと情報連携フレームワークの開発を推進するため,(1)既存の関連技術の調査および分析,(2)情報連携フレームワークの開発,(3)データ収集・集約,データ統合処理を行う情報管理・制御技術の開発を行った.さらに,(4)評価用プロトタイプシステム開発に向けた実験環境整備等の準備を行った.具体的な研究実績の概要は,以下の通りである. (1)既存の関連技術の調査および分析として,仮設住宅の高齢者の生体情報や電力情報を検出するセンサ,地域コミュニティ支援に関する地域包括ケアシステム関連技術の調査および分析を行い,技術的課題と情報連携フレームワークの設計方法について整理を行った. (2)情報連携フレームワークの開発として,(1)の調査および分析結果に基づき,情報連携フレームワークのための機能要件整理,ソフトウェアプラットフォームの設計と開発,アーキテクチャの設計を行った. (3)データ収集・集約,データ統合処理を行う情報管理・制御技術の開発として,(2)で設計した情報連携フレームワークに基づき,生体データ,環境データ,電力データ,マルチメディア情報,健康アドバイス情報,地域に特化した生活情報などを収集するエージェント指向の情報管理機構とマルチメディアコンテンツ処理機構の初期設計および開発を行い,状況に応じたデータ収集や制御,データ処理・分析,統合処理の支援を行う分散型の情報管理・制御技術を開発した. (4)最終年度(平成27年度)に向けて,評価用プロトタイプシステム開発のための実験環境整備として,各種センサや家電等の機器を制御するためのモジュール開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,仮設住宅地域に設置された多様なセンサデータと地域に関するコンテンツの柔軟な連携による知的利活用支援を焦点とし,利用者要求や通信環境に応じた地域包括ケアシステムを実現するための理論的な枠組みと情報連携フレームワークの開発が目的である. 初年度(平成25年度)の研究実施計画は,既存の関連技術の調査・分析,情報連携フレームワークの開発,データ収集・集約,データ統合処理を行う情報管理・制御技術の開発であった.計画通り研究開発の推進を行うことができた点,フレームワークの機能およびデータ処理方式の成果の一部について,学術雑誌および学会発表を通して成果を紹介することができた点,評価のための実験環境の構築準備を始めている点から現在までの達成度を評価し,おおむね順調に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,平成25年度の成果に基づき,知的サービス連携技術の開発と地域包括ケアシステムを提供するユーザインタフェースの開発,各種モジュールの開発と動作テストを行う. 具体的には,以下の(1)知的サービス連携技術の開発, (2)地域包括ケアシステム向けインタフェースの設計と開発を推進する. (1)知的サービス連携技術の開発では,情報連携フレームワークに基づき,利用者がその場で利用可能な機器やセンサ,ソフトウェア,データベースの情報を即興的に組み合わせ,様々な生活支援が可能な地域包括ケアシステムを提供するためのサービス連携技術の開発を行う. (2)地域包括ケアシステム向けユーザインタフェースの設計と開発では,地域包括ケアシステムを利用する際に,高齢者にとっては要求の入力が操作しやすく,支援者には必要な情報を利用機器の状況,プライバシーや緊急度を考慮した形で視覚的に提供することが可能なインタフェースの設計と開発を行う.また,試作システムを用いた動作テストを行い,インタフェースの改良および機能拡張を行う. その他,最終年度の総合評価に向けて,プロトタイプシステムに用いる各種モジュールの開発,動作実験のための試作システムの開発を行う.
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