研究課題
本研究で提案するのは屋内における歩行者デッドレコニングの誤差を無線LANによって修正する手法である.しかし,無線LANに基づく修正よりも高い精度を期待できる情報として,iBeaconに代表されるBLEビーコンを使用することとし,iBeaconに基づく位置推定の基礎的検討を行った.ただし,BLEビーコンに基づく部屋単位での位置推定手法については,現時点では基礎検討段階であり学会発表等には至っていない.また,本年度も昨年度に引き続き,歩行者デッドレコニングの精度向上に取り組んだ.昨年度までに実現した高精度3次元歩行軌跡推定の手法をさらに洗練し,情報処理学会論文誌に投稿した.本論文は情報処理学会より特選論文に選定され,さらにその中で使用している手法の発表が2015年度山下記念研究賞に選定された.本提案手法は学会的にも非常に高い評価を受けることができた.さらに,屋内歩行軌跡推定や建物構造推定に利用できる新たなコーパスの構築を目指し,ユビキタス・ウェアラブル系研究に関する国際会議Ubicomp/ISWC 2015においてPDR Challengeを開催した.本チャレンジを通して,ユニーク被験者数90人,経路データ数229個の屋内歩行センシングデータを収集した.本データはUbicomp/ISWC 2015 PDR Corpusとして,2016年9月をめどに公開する予定である.作成中のコーパスは本研究で使用することはもちろんのこと,同様の研究を行っている研究者も利用できるため,研究分野全体の活性化にも繋がると考えている.
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
情報処理学会論文誌
巻: Vol.57, No.1 ページ: 12-24
http://ubicomp.org/ubicomp2015/challenge.html