研究課題
平成26年度までに本研究課題で開発した構造化P2Pネットワークにおける効率的なデータ集計手法を活用することにより、構造化P2Pネットワークに含まれるすべてのノードの状態を考慮した効率的な動的負荷分散手法を開発した。また、この動的負荷分散手法を構造化P2PネットワークWaonに導入することにより、従来手法よりも効率的に負荷分散を行うことができる構造化P2Pネットワークを実現した。従来の構造化P2Pネットワークでは一部のノードの状態のみに基づいて動的負荷分散処理を実行するため、各ノードの負荷(計算量、記録データ量、通信データ量など)をネットワーク全体に分散させるまでに長い時間を要するという問題がある。一方、平成27年度に開発した新たな動的負荷分散手法では、構造化P2Pネットワークに含まれるすべてのノードの負荷の合計値や平均値を集計し、この集計結果に基づいて作成された効率的な負荷分散の計画に基づいて動的負荷分散処理を実行する。そのため、新たに開発した動的負荷分散手法ではネットワーク全体に負荷を分散させるまでに必要となる時間が従来手法よりも短いという特徴がある。この新しく開発した動的負荷分散手法を、決定的アルゴリズムに基づいて動作する構造化P2PネットワークWaonに導入した。これにより、物理ネットワークを考慮した通信機能とデータ集計機能を有し、効率的な動的負荷分散を行うスケーラブルな構造化P2Pネットワークを実現した。本研究課題で開発した理論やアルゴリズムについては、平成27年度に開催された1件の国際会議で発表した。また、平成27年度に行った構造化P2PネットワークWaonの性能評価結果については、平成28年度内に学術論文としてまとめ、学術論文誌に投稿する予定である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)
Proceedings of the 9th International Workshop on Advanced Distributed and Parallel Network Applications (ADPNA2015, NBiS2015)
巻: 1 ページ: 432-437
10.1109/NBiS.2015.66