複数拠点の計算資源からなる仮想的なクラスタ環境(マルチサイト仮想クラスタ)を構成する上で、拠点間における仮想ネットワークの確立は、その仮想クラスタの性能や応答性を決定づける重要な要素の一つである。本研究では、ソフトウェアによってネットワークを制御する技術であるSDN (Software Defined Network)を活用し、拠点間ネットワークの帯域や遅延を考慮に入れ自動的に最適な仮想ネットワークを動的に構成する、ネットワークスループットアウェアな仮想ネットワーク構成技術の開発を目指し、研究開発を実施している。 本研究では昨年度の実証実験により、広域環境におけるスループットのさらなる向上のためには、マルチパスを用いた制御機構の構築が必要不可欠であると明らかにした。当該年度は、マルチパスを用いた制御機構の構築により、広域環境におけるスループットの最大化を目指した研究開発を継続し、昨年度と同様に国際的な分散SDNテストベッドであるPRAGMA-ENT環境において実証的実験を実施し、評価した。
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