本研究では子供における運動処理と認知処理との関連性を検討した。特に運動処理に関しては身体の左右差(たとえば利き手)から生じる運動処理の相違から認知処理がどのような影響を受けるかを検討した。2種類の研究を行った。一つは遺伝と環境要因を検討することで運動処理と認知処理を検討した研究であった。結果は遺伝的要因は存在し、さらに複雑に影響を与えていることが示された。もう一方は、右利きの子供での手の活動量の左右差に着目し、認知処理への影響を検討した。手の活動量は短期的な影響(実験的に操作)と長期的な影響(スキルの左右差)に分けて検討したところ、長期的な運動の影響のみが認知処理と関連があることが示された。
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