平成28年度は,装着カメラによる頭部・肩方向推定手法の提案を行った.姿勢推定のための学習データ取得として,被験者5名で光学式モーションキャプチャと慣性センサ,装着カメラを用いたデータ取得を行った.現在の実装では,まずこれらの学習データに対して,姿勢推定のための特徴抽出として,Grabcutによる頭部・胸部領域抽出処理とHistograms of Orientated Gradient (HoG)特徴の抽出を行う.その後,得られた特徴量と正解データから頭部・肩方向推定モデルを学習した.実験により,約2度程度の精度で姿勢推定ができることを確認した.これらの成果について,国内研究会で発表するとともに,国際会議で発表予定である.
研究期間全体を通じて,装着カメラによる装着者の動作を取得することを目指し,1.頭部・肩方向推定手法の研究を進めるとともに,2.外部環境に対する対象人物の位置・姿勢推定手法の研究を進めてきた.1.については,モーションキャプチャで学習データを取得し,学習データに基づく装着カメラによる頭部・肩方向推定を実現した.2.については,ディスプレイ等に表示された動的ARマーカを用いた手法について研究を進め,複数ユーザに対して同期したコンテンツを提供する手法についても提案してきた.
今後は,提案システムを実応用へ適用することを目指し,両手法を組み合わせながら,高齢者の支援システム等の実シーンへの適用について引き続き検討を進めていく予定である.
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