研究課題/領域番号 |
25730118
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
橋田 朋子 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (90513044)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 機能性材料 / paper computing |
研究概要 |
本年度は紙を入力インタフェース化する技術に重点を置きつつ、紙を出力インタフェース化する技術、それらの技術の社会応用の3つの項目に関して基礎的な取り組みを行った。まず、紙を入力インタフェース化する技術に関しては、紙にペンで描いた文字や印字した文字を、コンピュータによる処理を介して、ユーザの行為にインタラクティブに消去可能な紙面インタフェースの基礎的検討を行った。具体的には熱に反応して消去・変色可能なサーモクロミックインクを、紙面に印刷可能な導電性インクで熱するという手法を開発した。 次に紙を出力インタフェース化する技術に関しては、光に反応してその発色や消色を制御できるフォトクロミック材料に対し、紫外プロジェクタを開発して2次元の紫外光を投影することで、紙面に手描きや印字と併記しても違和感のない発色型の情報提示技術の開発・検討を進めた。特に多様なフォトクロミック材料の発色や消色の時間特性を計測することや、市販のプリンタで印刷可能なフォトクロミック材料を用い、印刷パターンに工夫をすることで多色化を可能とする技術の基礎検討を行った。 最後にこのような技術の社会応用の可能性を探るため、広告会社等において2日間にわたるワークショップを行い、先端メディアをコミュニケーションに応用する可能性について、実践的なディスカッションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、「機能性材料による実世界と情報世界をシームレスに繋ぐペーパーコンピューティング技術」という課題に対し、入力インタフェース化技術の開発に重点をおきつつ、出力インタフェース化技術の基礎検討と、このようなメディア技術の社会応用を探求する試みを行っており、概ね計画通りと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は紙の入力インタフェース化技術と出力インタフェース化技術の他の方式に関して多数のアイディアを検討すると共に、それらの融合技術についても可能性を探る。また実世界の応用を視野にいれたアプリケーションの開発やユーザスタディを行い、ユーザ視点からのシステム評価なども行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要な材料や電子機器などを購入した上で、最後に小さな電子部品を購入する計画だったが、納品時期などが間に合わずそのぶんの予算が余った。 今年度は紙を出力インタフェース化するための機能性材料と制御のための電子部品やPCを中心に購入を行う。またシステムのプロトタイピングを効率化するための制作・記録関係の機材についても購入を検討する。
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