研究課題/領域番号 |
25730119
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福井 類 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80607416)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ウェアラブルセンサ / 手首凹凸計測 / ユーザインタフェース / ヒューマンコンピュータインタラクション / センサアレイ |
研究実績の概要 |
『手首凹凸データと回内状態推定値を統合した手指形態推定手法の研究』 本研究では回内状態の推定が比較的高精度に可能であるという予測のもと,手首形状の凹凸データから抽出される特徴量と回内状態推定値を同様に扱うアプローチを採用して研究を推進した. これらを機械学習の枠組みであるAdaBoostおよびSVM(Support Vector Machine)の枠組みに当てはめて認識器の構築を行った.この認識器の構築においては,(1)回内状態とは関係なく手指形態のラベルを出力する方法と(2)回内状態毎に手指形態の異なるラベルを用意し,それを出力するように学習させる方法の二つの方法を比較し,両者の方法が大きく違わない性能を示すことを明らかにした. これが意味するところは,手首凹凸データには回内角度に依らず手形状依存の特徴が存在する,もしくは凹凸データに回内角度情報が潜在的に含有されているということであり. この事実の発見が学術的に画期的なことである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度のデバイスの開発が想定よりも順調に進んだだめ,手指形態推定手法をじっくりと研究することができた.このため,単純に2セットの慣性センサを用いて回内角度を推定するだけでなく,慣性センサを用いなくても手指形態を推定するアルゴリズムの開発および性能検証も実施することができた. またこの推定アルゴリズムの順調な進捗により,お試しで本デバイスをWebブラウザの操作インタフェースとして用いることができ,ユーザインタフェースのシステム構築をする際の問題点も明らかにできた.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,平成27年度は『手首装着型デバイスによる操作性の検証』を実施する予定である. 提案デバイスによってPCやタブレット端末上のWebブラウザを操作する模擬環境を整備し,指定するタスクをユーザが意図するように実施可能かを評価するユーザビリティテストを実施する. 特に近年市場に出回ってきている先進インタフェース(LeapMotionなど)との比較を行い,このデバイスをユーザインタフェースとして用いる場合の問題点やそれを克服する方法について明らかにしていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
最新のユーザインタフェースが2015年度に発売されるとの情報があったので,購入を控えた.
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次年度使用額の使用計画 |
上記インタフェースの発売情報が確定し次第,速やかに執行する予定である。
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