本研究課題では,格フレーム間の対応関係の自動獲得を目的とし,主に受身および使役形の格フレームと能動形の格フレーム間の対応付け知識の獲得に取り組んだ.また,自動獲得した知識を受身文および使役文の能動文への変換における格変換タスクに適用し,受身文に対しては95.6%,使役文に対しては87.2%という先行研究の精度を有意に上回る精度で能動文における格を推定することが可能であることを示した.さらに,格フレームにおける各表層格の意味役割の分析を1つの目的として,格フレーム構築に使用したデータに基づく日本語二重目的語文の基本語順の分析に取り組み,基本語順はニ格の意味役割により変化するなどの結論を得た.
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