研究概要 |
近接する化学プラント間での熱エネルギー統合化システムのため、エージェントコミュニケーション機能と情報管理機能、協調機能を利用したフレームワークの構築を行う。初年度(平成25年度)は、主として、「化学プラント間エネルギー統合のために必要な情報の抽出(課題A)」に取り組んだ。化学プラントには、設計情報や運転状態、経済性など多岐に渡る情報が存在する。プロセス流体の流量, 温度, 圧力, 組成(物性)などの具体的な運転状態そのものの情報は、各企業の競争力に直結するため開示することは難しい。一方で、熱エネルギー統合化のためには、それらの具体的な情報がすべて明らかである必要はなく、プロセス流体の流量や組成から決定される熱容量(CP値)と温度のみ分かればよいと言える。加えて、これらの情報を交換するための情報記述方式として、化学プラント用のXML文書型定義に取り組んだ。このXML形式を用いて情報を記述することにより、各プラントのシステムが異なっていても柔軟な情報交換が可能になると期待でき、人間・コンピュータ双方の読み書きが容易なXMLを用いることにより、今後の本研究課題遂行上もメリットがあると期待できる。 また、「化学プラント間調整プロトコルの確立(課題B)」にも着手した。プラント毎に設けるマネージャエージェントの役割とそれらのマネージャエージェント間の調整を行うコーディネータエージェントの役割を検討した。実装は次年度以降に行う予定である。
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