本研究では、社会に薄く広く存在しているために統計的な分析による問題把握が困難である対象に関して、各環境における重要な特徴は保持しつつデータを集約して分析可能なソフトウェアの開発を行った。具体的には、GIS技術をベースとした現象記録機能、適切な写像を可能とする状態空間の設計機能、状態空間表現を用いた問題構造モデリング機能、データ集約による分析と個別環境へのリマップ機能から構成されるソフトウェアである。介護施設の浴室での事故やヒヤリハットを対象に、複数施設のデータを1つの標準的な地図上で重ね合わせることで、異なる施設であっても共通して起きている問題を把握することが可能であることを確認した。
|