今年度の目的は環境磁場に基づく自律ナビゲーション法を実用化により近いナビゲーション法へ発展させることである.これは,磁性体の移動といった環境変化による磁場変動への対応である.ロボットが磁気マップを基に自律ナビゲーションを行う度に,新たな磁気マップを作成する.元の磁気マップを新しいマップと比較し,磁場の変更箇所がある場合にその場所の磁場を元の磁気マップに書き換えることにした.昨年10月から評価実験をし始め,磁性体による磁場の変動への対応ができることを確認できている.しかし,実用化に向けて長期間において評価実験を行う必要がある.そこで,1年間の磁場変動を確認する目的として,今年の10月までに2週間に1回程度走行実験を行い,走行結果による評価を行うことにした.その後,成果をまとめ,学会で発表する予定である. また,以上の評価実験を行う際に磁性体の移動による磁場の変動への新たな対策を発見した.それは,地下方向で検出した磁場を利用するものである.これに関しては既にその有用性を確認済みであり,現在学術論文としてまとめている.
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