研究課題/領域番号 |
25730164
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
遠藤 維 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 研究員 (40599073)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | デジタルハンド / デジタルヒューマン / 把持姿勢生成 / 操作性評価 / 筋骨格モデル |
研究概要 |
(1) 把持姿勢生成時における,製品に対する手指の接触領域導出手法の高精度化:申請者はこれまでに,物理シミュレーションエンジンを利用して,力学的にデジタルハンドを制御し,その表皮メッシュを高速に変形し,把持姿勢を生成する手法を開発してきた.本年度は,本シミュレーションにおける,物体・ハンド間に仮想的に配置されたバネ・ダンパ制御モデルを見直し,より安定したハンドモデルの制御および物体・ハンド間の干渉判定を実現した. (2) 製品の操作タスクに対する「操作しやすさ」の定量評価指標のモデル化:「操作しやすさ」の定量評価指標について,まず,手指操作における筋発揮に関する手指の負担感を評価するため,ハンドモデルに筋骨格構造モデルを付加する研究に取り組んでいる.また,上述の把持姿勢生成シミュレーションソフトウェアと,筋骨格シミュレーションソフトウェアとを連携することで,外力を含む手指動作における筋発揮効率評価機能を実装した. (3) 把持姿勢および「操作しやすさ」定量評価指標の妥当性評価:(1)にあげた物理シミュレーションから得られた把持姿勢が人間にとってありうる把持姿勢となっているかどうかを,被験者実験により検証するため,被験者と同一寸法のデジタルハンドおよびその把持姿勢を計算機上に再現し,(1)から得られた同一物体に対する把持姿勢および接触領域を比較する手法を開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 把持姿勢生成手法の高度化については継続中である. (2) 「操作しやすさ」の定量評価指標のモデル化については,継続中であるものの,モデル化の見通しが立っている. (3) 把持姿勢および「操作しやすさ」定量評価指標の妥当性評価については,最も困難である被験者と同一寸法のデジタルハンドおよびその把持姿勢を計算機上に再現する手法について完成している.
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今後の研究の推進方策 |
(1) 把持姿勢生成手法の高度化については研究計画の予定通りパラメータの高精度化を継続する. (2) 「操作しやすさ」の定量評価指標のモデル化については,開発した筋発揮効率評価機能をベースに,タスク・接触力を考慮した指標の開発を行う. (3) 把持姿勢および「操作しやすさ」定量評価指標の妥当性評価については,開発した個人モデル・姿勢の再現手法をもとに,評価実験を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初初年度に予定していた,操作性評価に関する妥当性評価実験に関して,これを次年度に行うことになり,実験に際して使用する予定だった実験装置等の予算が繰り越されたため. 予算を使用する費目・額については,当初の計画通り,実験装置およびマーカ等の消耗品を予定している.
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