本研究の目的は、運動・動作を美しく、または好ましく感じる際にどのような神経基盤によって表象されているかを明らかにすることであった。研究の結果、反復模倣・観察を行った動作に対して好意度評価の増加が認められた。関連して、反復模倣・観察を行った動作刺激に対する好意度の評価時には、報酬価値の表象に関与する腹側線条体を含む部位の活動増加が認められた。加えて、動作を反復している際に下頭頂小葉の活動が減少し、その減少量と好意度の増加量の相関が認められた、これらの結果から、動作の反復模倣・観察が、刺激に対する価値表象の変化を誘発し、選好に影響を与えている可能性が示唆された。
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