昨年度までに構築した連立微分方程式による数理モデルの汎用性を確認するため、昨年度確認の1例のみならず他の症例についても臨床検査値の組み合わせから投与されたステロイド量を再現可能かどうか検討を行い、結果として個々の症例に併せたパラメータを設定すればある程度までの再現は可能であることを明らかにした。 ただし、現状の数理モデルでは統一的なパラメータを設定して1つのモデルで各症例を正しく予測することは困難であった。この問題を解決するためには、それぞれの項目毎に係数を設定する他に、例えば副腎摘出術実施直前・直後の残存副腎径などの個人毎に異なる状態を表す新たな項目を導入するか、あるいはパターン認識手法などにより非線形性を強めたモデリングを行った上でさらに新規追加された症例も学習させるなどのアプローチを行えば改善される可能性が示唆された。
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