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2014 年度 実績報告書

RT拡散に基づくツイッターバースト時系列の理論的解析とウェブサービスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 25730184
研究機関筑波大学

研究代表者

岡 瑞起  筑波大学, システム情報系, 助教 (10512105)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードソーシャルメディア分析 / Twitter / バースト / 内因性 / 外因性 / 興奮性媒質
研究実績の概要

長い間人間の時間的振る舞いはランダムな過程(ポワソン過程)に従っていると思われていた.しかし,2005年にアルバート・バラバジを中心とする研究グループが、人間の行動は間欠的な振る舞い(バースト)がより顕著であると考え、そうしたバースト的な振る舞いの重要性を説いた.このようなバースト現象の重要性は以前より指摘されているが,それがウェブ上のさまざまなオンラインシステムに関し、大量なデータの上で実証されるようになったことが研究を促進しているが、その詳細なメカニズムは明らかになっていない.そこで,本研究では内因性・外因性バーストという観点からウェブのバーストのメカニズムを明らかにすることを目的とした.具体的にはツイッターのデータを単語ごとにその出現数の時系列を観察すると,A)周期性の強いパターン,B)間欠性の強いパターン,C)平均値の周りで揺らぐパターンなど,さまざまな変動のパターンが見つかる.さらに細かく見ると,そうした周期性や間欠性の破れのような現象も観察できる.そこで,総出現数の大きな上位3,000単語の頻度時系列に関し,バースト現象に注目し,バーストが起こるメカニズムを内因的バーストと外因的バーストに分類し,これら2つのバーストを分ける臨界的な揺らぎの閾値σcが出現することを明らかにした.この結果は,内因性から外因性への切り替わりは大きなバーストへの転移にもなっており,揺らぎの臨界値が対応している.この臨界値の存在は,実際の脳の神経細胞のような 2 状態(静穏状態と興奮状態)がツイッターにも出現することを示す.つまりツイッターシステムは「興奮性媒質」となっていて,興奮状態への転移がポジティブフィードバックにより組織化される.この臨界的な揺らぎ値があるということは,いま測定している揺らぎの大きさが閾値σc を超えると,それに続く大きなバーストが予見できることを示唆している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamic Homeostasis in Packet Switching Networks2014

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Oka, Hirotake Abe, Takashi Ikegami
    • 雑誌名

      Adaptive Behavior

      巻: 23 ページ: 50-63

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Self-organization on social media: endo-exo bursts and baseline fluctuations2014

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Oka, Yasuhiro Hashimoto, Takashi Ikegami
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 ページ: e109293

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0109293

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Exploring Default Mode and Information Flow on the Web2014

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Oka, Takashi Ikegami
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 8 ページ: e60398

    • DOI

      doi:10.1371/journal.pone.0060398

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Fluctuation and Burst Response in Social Media2014

    • 著者名/発表者名
      Mizuki Oka, Yasuhiro Hashimoto, Takashi Ikegami
    • 学会等名
      The 2nd International Web Observatory Workshop WOW2014 at WWW 2014
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      2014-04-08 – 2014-04-08

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公開日: 2016-06-01  

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