本研究では、「政府のオープンデータをいかに保存し、その長期的アクセスをいかに保障するか」という観点での制度・政策的課題、および米国連邦政府を中心とした課題解決の試みを明らかにした。研究成果の中で提示したポイントは、以下のような点である。(1)「オープン・ガバメント時代」のもとで政府情報は「メディアとしての多様化」を示しており、その全体像を把握していく必要がある。(2)オープンデータが有する「機械可読性」を、保存においても考慮する必要がある。(3)政府のオープンデータや、官・民によるその加工物の保存は、「ガバナンス」すなわち官・民が交わる統治状況を遡及的に検証することにつながり得る。
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