探索型検索(Exploratory Search)とは、探索者が学習しながら情報ニーズを明確化しつつ、問題解決を進めるプロセスである 。本研究では、検索前後の知識の変化を直接的にとらえる評価手法の開発を目指す。まずは、コンセプトマップを用いて検索前後の知識の変化を測れるかどうかについて検討する。 申請者らは、これまで探索のトピックや探索条件が明らかに異なる状況として、環境問題と旅行というトピック、収束と発散という探索条件を設定し、探索の前後のコンセプトマップの比較分析を行なってきた。その結果、条件やトピックによってマップの特徴が異なることが明らかになっており、コンセプトマップによって知識の変化を図ることができる可能性を示唆している。本研究ではこのコンセプトマップを用いた実験の分析をさらに進め、より精緻なコンセプトマップ分析を目指すとともに、追加で実験も行ない、評価手法としての考察を試みる。 平成28年度は主に実験で得たコンセプトマップの「リンク」の意味的な内容分析手法を検討し、タグ付を行う手法の検討を進めた。タグ付けについては、コンセプトマップ中のリンク関係について、ノードとノード間のリンク関係がどのような意味を持っているかについて着目してタグ付けを行った。タグ付けを行ったデータをもとに分析を進め、その分析結果については、CHIIR2017(国際会議)併設のワークショップにてその成果を発表した。
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