研究課題/領域番号 |
25730197
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
村上 嘉代子 (平野 嘉代子) 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90424895)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 訪日観光促進 / 観光ウェブサイト / 口コミ / テキストマイニング / 地域活性化 |
研究概要 |
地域の訪日観光促進を目的とし、地域観光誘致サポートツールの開発を行うため、25年度は英語ブログからの口コミデータ分析、北海道の公式観光ウェブサイトからの観光情報の分析を行うことを予定していた。その方法として、話題となっている観光資源の名詞や観光キーワード、外国人の目線から見た北海道観光に関するコメントを抽出し、観光圏を分析すること、また、観光促進者側の視点を取り入れるため、北海道の各地の公式観光ウェブサイトから観光資源やキーワード、モデルルートを抽出することを計画していた。 以上の計画を実施するため25年度に行ったのは、訪日外国人の地域観光誘致に進む前段階として、国内の地域観光誘致についての研究である。観光による地域活性化は日本の地方の課題となっており、資源の有効活用、地域住民や観光客の要望調査が必要である。これらをまとめるにあたり、石川県珠洲市内にある道の駅の利用状況の調査、観光協会、観光交流課、市内の観光資源である酒蔵などで観光の現状についてヒアリングを行った。珠洲市におけるこれまでの観光に関する取り組みや今後の活性化策等を知ることで、地域活性化に貢献する観光分野での可能な取り組みに、これまで行ってきた訪日観光促進のための研究成果をどう関連させるかを考えるヒントを得ることができた。 さらに、本研究の第一段階として、北海道の公式観光ウェブサイトからの発信情報の分析を行った。各地の公式観光ウェブサイトから観光資源やキーワード、モデルルートを抽出するため、自治体や観光協会、コンベンションビューローなどの公式観光ウェブサイトの多言語化の現状と、外国語で作成された観光資源情報量について分析した。日本からの発信情報は観光促進者側からの視点で日本の魅力をアピールするものであるため、観光促進者側の視点での観光資源やモデルルートを今後テキストマイニングで抽出する基盤を作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
話題となっている観光資源の名詞や観光キーワード、外国人の目線から見た北海道観光に関するコメントを抽出し、観光圏を分析すること、また、観光促進者側の視点を取り入れるため、北海道の各地の公式観光ウェブサイトから観光資源やキーワード、モデルルートを抽出することを計画していた。 研究実績の概要で述べたように、後者の公式観光ウェブサイトからの観光資源やキーワード、モデルルートの抽出については、テキストマイニングでの自動抽出までには至らなかったが、多言語化の状況を把握でき、英語のウェブサイトでも自動翻訳から、日本語のサイトを外国人観光客にわかりやすく追加情報を加えて作成している英語のウェブページまであることも分析できた。これにより観光促進者がアピールしている観光資源情報の基礎知識を得ることができた。これは自動抽出では分析することが難しい一面である。 しかしながら、前者の外国語ブログからの北海道旅行に関する観光キーワードや外国人旅行者のコメントなどを抽出するまでには至らなかった。すでに一部のブログサイトから北海道観光についての口コミは抽出しているものの、更なるデータの収集が必要である。 これらの遅れの理由としては、データ収集をする前に地域活性化についての事例調査、観光ウェブサイトの現状など、本研究の基盤となる部分を調査することが必要となり、25年度はそこに時間を費やしてしまったためである。
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今後の研究の推進方策 |
26年度においては、25年度に実施できなかった計画の、日本旅行に関するブログの投稿数が多い旅行ブログサイト(TravelPod、TravelBlog、TravBuddy、MyTripJournal.com など)からの北海道旅行に関する観光地、観光資源、観光キーワード、コメントを抽出することと、公式ウェブサイトからの観光地、観光資源、観光キーワードの抽出をすることである。これらはテキストマイニングアプローチを用いてデータ収集と分析を行う。 また、札幌の前後で訪問している可能性のある観光圏を分析するため、札幌市内の宿泊施設に協力を依頼し、英語圏の外国人観光客が札幌の前後に訪れている訪問地に関するアンケート調査を実施することも並行して行う。 さらに27年度においては、これらのデータを基にサポートツールとしての観光パンフレットの作成とその検証にまで進められるように、パンフレットに情報を載せる形式について研究協力者から助言を得ながら進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度はデータ収集や分析が計画通りに進まなかったため、データ処理・整理のために充てていた人件費が不要となったため、その分を次年度に繰り越すこととなった。 26年度はデータ処理が主な研究課題となるため、その処理に必要な人件費や消耗品、成果発表のための旅費などに助成金を主に使用することを計画している。
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