研究課題/領域番号 |
25730204
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小暮 悟 静岡大学, 情報学部, 講師 (40359758)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 知的学習システム / 音声認識 / 日本語対話訓練 / ディクトグロス |
研究実績の概要 |
平成27年度は,成果1「ディクトグロスシステムの協調学習者エージェントCLAと学習者との対話において,根拠を伴ったお互いの再現文の違いに言及する手法(平成26年度から継続)」成果2「成果1の実装を受けて,中級者~上級者を対象とした CLA の teachable agent の実装」成果3「ディクトグロスシステムの学習者とCLAの対話への音声利用の実装」の3つの実績がある. 成果1については,平成26年度の研究の成果を受けて,国際会議 ICCE2015 にて1本,教育システム情報学会の2015年度第3回研究会にて1本研究成果を報告している. 成果2については,learning by teaching (人に教えることで学習成果の定着を図る学習法) を取り入れ,学習者が,ある一定の方針にもとづいて間違える CLA に対して,その間違いを指摘できる枠組みを導入した.本成果に関しては,国際会議 ICCE2016 に投稿予定である. 成果3については,ディクトグロスの要であるところの「言語の4能力をそれぞれ効果的に学習可能である」という定義を鑑み,学習者とCLAの対話を音声で行えるよう実装を行った.特に,対話制御部の実装を簡略化するため,認識の語彙に細工を施し,認識結果から即座にどのような対話制御を行えばいいかが判断できる枠組みを構築した.これにより,プログラムに触ることなく,応答文を生成することができるようにした.こちらの成果についても,平成28年度中に成果を発表予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度には不慮の状況が複数重なり,結果として,(4)遅れているの判断を行った.それを受けて,平成27年度は,その遅れを取り戻すべく,対外発表を2件行い,また,新規に成果を2つ(成果2,成果3)上げることができた.成果2については,他教員・学生とのミーティングを週1回実施し,定期的にシステムの開発をする工夫を行った.成果3については,時期によってばらつきはあるものの,年度末はほぼ毎日学生とのゼミの中で,対話制御実装を容易にする音声認識用の語彙の表記方法を考案し,実際に実装を行い,成果を出すことができた. それらの結果,その遅れを少し取り戻すことができた.しかしながら,開始当初の計画からはまだ遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は最終年度であり,現在の計画では,ここまでに作成したディクトグロス環境を,実際の日本語学習の現場で利用しての評価実験を行う予定である. そのために,実際の現場での利用方法(講義中に使うのか,あるいは,復習・予習教材とするか)の検討と,音声利用のさらなる発展の2点に重点を置いて研究を遂行する.
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