研究課題/領域番号 |
25730205
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | e-learning / 自然言語処理 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、複数の学習者が参加するケースメソッド等の学習において、学習者の理解を支援するため、議論構造を表すグラフを自動で作成することを目的としている。平成25年度は、関連研究にもとづいて、学習者の発言間の類似度に着目して、議論構造を作成する方法を提案した。しかし、発言に関係性があっても、類似しない状況があり、発言間の関係性を特定する精度は、再現率、適合率ともに60%程度に留まっていた。平成26年度は、関係性があっても類似しない発言について、人手で分析を行い、直前の発言を受けて説明を省略することが原因となっていることがわかった。そこで、いずれとも関係しない発言、直前の発言と関係する発言、直前の発言以外に関係する発言、それぞれに応じて、関係性の有無を判定するサポートベクターマシーン(SVM)を用意し、発言に対して各SVMを逐次適用するカスケード型SVMによって、発言間のリンクを推定する方法を開発した。実際に、学習者の議論に開発した手法を適用したところ、再現率、適合率が、ともに90%程度まで改善し、実適用可能な精度を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
議論構造グラフを自動作成する方式を開発し、本プロジェクトの主課題の1つを クリアできたことから、計画通り進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、自動で作成した議論構造グラフにもとづいて、学習者に助言を行う方法を開発する。提示された議論構造グラフに加えて、どのような助言が必要か、学習者数十名に対して、アンケートを実施済みである。アンケート結果から、問題点に対して解決策が議論されているか、議論が中断している論点が無いか、全ての問題点を漏れなく議論しているか、等が助言として必要とされていることがわかった。 このような助言を提示するためには、どの発言が問題点、解決策に言及しているか、どの発言で議論が中断しているかを特定することが課題となる。本研究では、過去の議論における発言からコーパスを作成し、コーパスを利用して、これらの課題を解決する方針を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
消費税等で端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
非常にわずかな金額であるため、消耗品購入の一部に充てる。
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