研究課題/領域番号 |
25730211
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
棟方 渚 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (30552351)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | てんかん / 患者 / ゲーム / 発作回数の減少 / てんかん学会での発表 |
研究概要 |
申請者は,てんかん患者の発作の回数の減少・発作の軽減を目的として,音声情報のみで構成したバイオフィードバックゲームを開発することを目的としている.ユーザの興奮を促すポジティブ・バイオフィードバックを用いたゲームデザインについて研究を行なってきた.このゲームによって,ゲームプレイヤの抹消の交感神経系の著しい興奮(主に皮膚抵抗値の変動)の促進が可能であることが示された. 一方,てんかん治療に関する先行研究から,交感神経系の興奮状態を維持することで,てんかんの発作に関連する中枢神経系の活動を抑制させることが示された.交感神経機能の活動は,皮膚抵抗値の変動から確認することができ,交感神経機能が充進すると皮膚抵抗値が下がり,交感神経機能が下がると皮膚抵抗が上がることが示されている. これらの先行研究をもとに,ゲームに特化した生体情報測定装置(自作)を用いて,てんかんの治療につながるバイオフォードバックトレーニングシステムの開発を行った.昨年度は,ゲーム内のアナウンス音量の調整や音楽の選定,ゲームのストーリなどの改良,開発を行った.また,実際に病院の倫理委員会に実験の提案を行い,2名の患者に対して実験を実施した.現在,1名は30%の発作回数の減少がみられ,もう1名については,実験の観察期間中である.また,この結果から,他の患者で希望者があらわれたため,引き続き実験を実施する.現時点では結果は良好であると考えられるが統計的に論じるためには,被験者数が不足しているため,引き続き実験を実施する. また,本研究は症例報告としててんかん学会での発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の都合上,被験者は4週間,週2回のペースで通院しなければならない.そのような事情から,被験者が集まりにくく,統計的な解析ができていないため,やや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き実験を進める.また,統計的に論じることは現時点では難しいが,成果を症例報告として発表する予定である.
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