研究課題/領域番号 |
25740001
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
眞子 直弘 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 特任助教 (00644618)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エアロゾル測定 / スペクトルマッチング |
研究概要 |
大気中に浮遊する固体または液体の微小粒子(エアロゾル)は地球温暖化に大きな影響を及ぼす他、PM2.5と呼ばれる微小粒子状物質が人の健康に害を与えるなど、我々の生活に密接に関わっており、時間的・空間的に激しく変動するエアロゾルの特性を監視することが重要である。本研究ではハイパースペクトルカメラ(HSカメラ)を用いて太陽光の放射照度スペクトルと天空光の放射輝度スペクトルを測定し、放射伝達シミュレーションで再現した計算スペクトルが測定スペクトルと一致するように対流圏エアロゾルモデルのパラメータを最適化すること(スペクトルマッチング)によってエアロゾル特性(光学的厚さ、複素屈折率、粒径分布等)を導出する。平成25年度には本研究で使用するHSカメラ(視野角16度×10度、画像サイズ752×480画素、波長範囲350~1100 nm、波長画素数480)について、波長校正、画角校正、輝度校正、温度校正、フラット校正を行い、HS画像から放射輝度分布を導出できるようになった。また、HSカメラの空間分解能、波長分解能を測定し、放射伝達シミュレーションの分解能を実測に合わせることが可能になった。快晴条件の下でテスト観測を行い、太陽のごく近傍(離角1度)から天空光の放射輝度を測定することに成功した。このデータは吸収性が小さく、大小2種類の粒径分布を持つ2成分エアロゾルモデルを仮定するとシミュレーションで再現できることが分かり、HSカメラのデータからエアロゾル特性を導出できることが実証できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HSカメラの校正により太陽光の放射照度および天空光の放射輝度を高精度に測定することが可能になった。テスト観測では太陽周辺の散乱光分布を期待通りの性能(最小散乱角1度、角度分解能0.1度)で取得でき、データからエアロゾル特性を導出することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はより多くの観測を行うとともに解析手法を高速化してそれらのデータ処理を行い、検証用データを蓄積する。得られたデータは従来の装置による測定データと比較し、値の妥当性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に必要な物品で残額に適合するものがなかったため。 次年度の物品費と合わせて研究に必要な光学部品を購入する。
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