研究課題
本課題では、1. サンゴの種間の酸性化応答比較、2.コユビミドリイシにおける種内応答比較、および3.種内応答のメカニズム解明を目的としている。これまでの研究から、サンゴの種間で酸性化ストレスに対する応答が異なり、サンゴ種によってより酸性化の影響を受けやすい種と受けにくい種が存在することが明らかにされた。このことから、海洋酸性化はサンゴの群集組成を大きく改変する可能性が示唆された。さらにコユビミドリイシでは同種間でも個体群によって、酸性化に対する応答が異なることが解明された。また酸性化影響を受けにくい個体群は体内のpHの制御に関わっていると考えられるCa-ATP-aseの発現量が異なることが解明された。さらに、今回新たに、同位体手法を用いて,炭酸カルシウムの形成が起こっている部位のpHが海水環境よりも高く保たれていることが明らかとなった。このことから、サンゴはエネルギーを使って、受動的に体内の炭酸カルシウム形成部位のpHを調整しており、その機能が高いほど酸性化耐性が高い可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Zoological Science
巻: 32 ページ: 447-454
Coral Reefs
巻: 34 ページ: 1139-1149
Journal of Marine Science Engineering
巻: 3 ページ: 216-239
http://harukoku.sakura.ne.jp/kuriharalab/homu.html