研究実績の概要 |
年中雲に覆われる熱帯域では、地表面を観測するため、天候に影響されず観測可能なマイクロ波衛星の利用が不可欠である。本研究では、マイクロ波センサを搭載するALOS衛星取得のPALSAR画像を用いた熱帯産業植林地における衛星データ解析を継続的に進め、森林のモニタリングを行っている。 これまでに、後方散乱電力と現場調査による記録情報(森林調査データ+生育状況の視覚的評価データ)との比較解析(変化解析)を行った。結果、相関分析では解明できていなかった詳細な林層構造の変化:下層植生の出現・葉の黄化・立ち枯れ等の森林劣化を捉えることに成功した。 この散乱メカニズムにおける新たな知見は、”S. Kobayashi, Y. Omura, K. Sanga-Ngoie, Y. Yamaguchi, R. Widyorini, M. S. Fujita, B. Supriadi and S. Kawai (2015) “Yearly Variation of Acacia Plantation Forests obtained by Polarimetric Analysis of ALOS PALSAR Data”, IEEE Journal of Selected Topics in Applied Earth Observations and Remote Sensing, vol. 8 (11), 5294-5304” で発表した。 さらに、植林地では、アカシア林は順次伐採され、ユーカリ植林への転換が進んでいる。そのため、ユーカリ植林地内に設定されている定点観測プロットにおいて、現場調査を実施し、胸高直径・樹高・成立本数・植生構造等の植生調査データを収集した。
|