熱帯域各地で産業植林が急速に拡大し、持続的利用の観点から植林地モニタリングは喫緊の課題である。森林の把握には、衛星リモートセンシングが有用だが、年中雲に覆われる熱帯域では、天候に影響されず観測可能なマイクロ波衛星データの利用が不可欠である。本研究では、Lバンドのマイクロ波合成開口レーダによる植林地モニタリングを行なった。現場調査データとの突き合わせ解析により、マイクロ波衛星データから林班スケールの森林劣化を特定することに成功した。さらに、マイクロ波衛星による森林構造の複雑性や下層植生量の定量的評価の可能性を示唆した。今後は、森林構造の把握を通じた生物多様性の空間的評価に繋げたい。
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