研究課題
ドームふじコアの過去4000年にわたる窒素と、アルゴンの同位体比の計測を終了した。計測には、過去2100年のNGRIP氷床コアを分析するために極地研に開発したシステムを用いた。NGRIPのデータや、米国のスクリプス海洋研究所で行われたGISP2コアの計測と同程度の高精度が得られた。窒素同位体とアルゴン同位体比のデータから見積もられたドームふじ基地のフィルン層の温度差から、グリーンランドで見られるような寒冷化の傾向がみられた。気温の計算はまだ行われていないが、フィルン層の温度差データには興味深い変動がみられた。平成26年度には、気温を復元する手法を固める重要な論文を一遍執筆し、現在Geophysical Research Letters誌に査読中である。この論文では、過去2100年のNGRIPとGISP2の気温を復元し、二つのサイトの気温変動がほぼ同様であったことを示した。また、フィルン層内で気泡が閉じてから起こるガス分別に関する論文を一遍執筆し、Atmospheric Chemistry and Physicsに投稿した。この論文では、Ar/N2やO2/N2の氷床コア中での変動が、フィルン層でのmicrobubblesにかかるロードプレッシャーの変動によるものであることを示した。
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Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. B1 (Hydraulic Engineering)
巻: 58 ページ: 343-348