本研究ではドームふじコアを使って過去4000年の気温復元を試みた。ドームふじは、南極の内陸に位置し年平均気温がマイナス50度近くで、降雪量も年平均3cm(氷換算)と少ない。このため約70年おきの分析を行い百年規模の気温変動の復元を試みた。気温復元に必要な窒素、アルゴン同位体比、窒素アルゴン比の精度は、これまでと同様の結果を得ることができた。これらのデータを使って気温を計算すると、西暦1500年前後に過去1000年の気温の最小値があり、西暦1000年頃には、暖かかったことがわかった。これらの気温変動の原因を、突き止めるため気候モデルなどを用いて解析する予定である。
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