北極海および南大洋から海水・海上大気試料を採取し、開発した分析方法を用いて残留性ペルフルオロアルキル化合物(PFASs)を調査した。 北極域と南極域のPFASs濃度を比較すると、海水・大気試料共に北極域濃度が高く、発生源が集中する北半球の影響が大きいと考えられた。短期的には強風等による生じた海水の鉛直混合により、PFASsも同様な挙動をしていることを初めて明らかにした。さらに、海氷融解水濃度とPFASs濃度に相関が見られた。以上より、極域に輸送または海氷・氷河融解によりこれらの有害化学物質が再汚染している可能性や、海水・大気中に残留する有害化学物質の起源・相互関係を明らかにした。
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