抗生物質流出による水圏生態系へのリスク「抗生物質による腐食食物網の機能低下」を定量的に把握することを目的とした.実験解析の結果,抗生物質の添加によって,環境細菌群集の増殖速度の低下および群集構造の変化が起きることを明らかにした.また,微小生態系実験を用いた操作実験の結果,抗生物質の添加は,細菌群集構造の違いにかかわらず,細菌群集の呼吸量の低下および有機物利用特性の変化を引き起こすことが明らかになった.本研究では,細菌群集の応答を定量化できる汎用的な微小生態系実験系を確立し,抗生物質流出による水圏生態系機能低下リスクを定量的に把握することを可能にした.
|