研究課題/領域番号 |
25740031
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大坂 侑吾 金沢大学, 機械工学系, 助教 (70586297)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 無基材脱硫フィルター / 大気圧非平衡プラズマ支援 / ゼロエミッションディーゼル |
研究概要 |
除去技術が未確立な船舶など重油を使用したエンジン排ガスから放出される二酸化硫黄に着目し、その浄化法として金属酸化物を利用した脱硫フィルターの開発を目指す。低温度域での反応活性の向上とさらなる小型化が脱硫フィルターの開発課題である。小型化を,無基材高強度ハニカムフィルターを構築することで達成させる。また、大気圧誘電体バリアによるグロー様放電により、高い反応速度を有する熱非平衡反応場を創生する。無基材で高反応率を維持するハニカムフィルターをアンテナとした非平衡プラズマ重畳法を確立する。プローブ法ならびに分光法を駆使して反応挙動を明示するで、硫酸塩化反応の低温活性化への学術的道筋を与える。 本年度は,空間速度,反応温度,二酸化硫黄濃度をパラメーターとして流通式脱硫評価装置を作成して脱硫剤として基礎脱硫性能を評価した.選定した活性化二酸化マンガンでは,二酸化硫黄濃度ならびに空間速度が脱硫性能に与える影響が大きく,フィルターを設計するうえで非常に重要な設計因子であることを明らかにした.また,さらなる小型化を目指して,活性化二酸化マンガンとわずかなバインダーを用いて,無基材の脱硫フィルターを提案し,作成指針の獲得を行った.作製した無基材ハニカムを用いた脱硫性能評価試験を実施した結果,基材を使用した脱硫フィルターに比して,数倍程度小型化を達成した.厚みなどの最適化を行うことでさらなる小型化へのポテンシャルを有することを明らかにした. 大気圧非平衡プラズマの重畳効果確認のため,平板電極型および重点型大気圧非平衡プラズマ重畳脱硫評価装置を作成し,実験的評価を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の無基材脱硫フィルターの作成に成功しており,基材を用いるフィルターより潜在的に小型化が可能であることを明らかにした.小型脱硫フィルター構築の予備検討として,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,当初の計画通り,無基材脱硫フィルターの最適化を目指すとともに,現在作成中である大気圧非平衡プラズマ支援脱硫フィルターを用いて低温活性化への大気圧非平衡プラズマの効果を明確化していく.
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