稲わら等有機物を施用した条件下では、水稲栽培へのバイオチャー施用はCH4発生量を増加する可能性がある。一方でバイオチャー施用はN2O発生量を低下する傾向にあり、有機物の還元的分解によるCH4生成増加とN2O生成低下が原因と考えられた。 圃場試験では稲の残さとバイオチャー施用で稲わらの還元的な分解が増加しCH4生成が増加した一方、N2Oは非栽培期の土壌の好気的環境化で発生量が低下した。地球温暖化指数で評価すると、バイオチャー施用で2年間のGWPは慣行栽培の約半分に低下し、この効果は20年程度継続することが示唆された。玄米の収量に対するバイオチャー施用の影響は明確ではなく、悪影響も与えていなかった。
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