不溶化資材による鉛と半金属(Sb)の同時不溶化技術を土壌中において確立するため,土壌中での不溶態の形成機構および不溶態形成に適した土壌条件を解明することを試みた.土壌中の間隙量が多く,水分飽和度が高いほど,資材による鉛不溶態形成量が高まった.また鉛移動性が高い土壌においても不溶態形成によって鉛の系外への移動が抑制されることが示された.以上のことから,土壌中の重金属類は,移動する過程で資材と反応し不溶態が形成されることが実証された.不溶態形成量は,土壌の間隙量が多く,飽和度が高いほど多くなる.そのため,実汚染土壌において雨水等の浸透が生じた場合でも,重金属類の移動が抑制されると示唆される.
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