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2015 年度 実績報告書

フライアッシュとセメントを混合した硫化物イオン吸着材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25740038
研究機関神戸大学

研究代表者

浅岡 聡  神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助教 (60548981)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード環境材料 / 環境技術 / 海洋保全 / 環境修復 / 廃棄物再資源化
研究実績の概要

国内の石炭火力発電所から年間に発生するフライアッシュ(FA)は,1300万トンである.FAに高炉セメントを混合し反応させた,吸着剤(FAC吸着剤)は,硫化物イオンを酸化することがわかっている.しかし,FAと高炉セメントの最適な混合比率が明らかになっていない.本研究では,FAと高炉セメントの最適な混合比率を明らかにし,ひいては,閉鎖性水域の底泥中の硫化物イオンを除去するFAC吸着剤を開発することである.
FAと高炉セメントの混合比を0~100%の範囲内で段階的に変化させて混合し,FA由来のアルミニウム・ケイ素の酸化物および高炉セメント由来の水酸化カルシウムとをポゾラン反応させた.FAの混合比率が40%では,ポゾラン反応率が3%程度に留まったが,FAの混合比率が70%以上では,ポゾラン反応率は16~27%に上昇した.FAの混合比率が70%のFAC吸着剤のポゾラン反応率が27%で最も高く,これに対応して比表面積も20.8 m2/gと最大になった.
FAC吸着剤への硫化物イオンの吸着・酸化速度は,FA混合比率が高いほど,大きくなった.したがって,FAC吸着剤への硫化物イオンの吸着・酸化速度は比表面積よりも,FAC吸着剤に含まれるマンガン酸化物の含有量が支配的要因と考えられた.また,昨年度までの成果からFAの混合比率が95%以上では,底質改善材すなわち,建設資材としての強度が保てないことがわかっている.したがって,FAと高炉セメントの最適な混合比率は,強度と硫化物イオンの吸着・酸化速度の兼ね合いから,87(FA):13(高炉セメント)であることがわかった.
本研究成果は,国内外で大量に発生するFAと高炉セメントをポゾラン反応させて,硫化物イオンを酸化する底質改善材を開発するアップサイクルを実現するための一助となる点で意義がある.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Remediation of eutrophic coastal marine sediments using granulated coal ash, a by-product from coal electric power plants2015

    • 著者名/発表者名
      Satoshi ASAOKA, Hideo OKAMURA, Kenji NAKAMOTO, Kazutoshi HINO
    • 学会等名
      International Conference Sustainable Materials Science and Technology 2015
    • 発表場所
      Paris, France
    • 年月日
      2015-07-15 – 2015-07-17
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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