本研究では、在来種であるニホンミツバチを対象として、ウイルスなどによる寄生状況を全国規模で把握し要因を特定した後保全対策への指針を示すことを目標にした。ニホンミツバチの分布が確認されていない北海道を除いた東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州地方の各都府県を対象に、当初予定していた以上の地点から野生ニホンミツバチのサンプルが得られた。研究計画の段階で対象としていた寄生者については再考した。予備試験を行った後、採集ニホンミツバチ個体を用いた本試験で寄生者由来のDNAやRNAを抽出する方法を確立した。寄生者に特異的な遺伝子領域の情報を用いて遺伝子診断を行い、一部の寄生者についてPCR法を用いた遺伝子診断が可能であることを確認した。
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